どれほど相手を生理的に受け付けなくなっても、日本の現行法において「嫌いだから」という主観的な理由のみで裁判離婚を成立させることは容易ではありません。裁判官が離婚を認めるか否かは、民法770条1項各号に定められた法定離婚事由の有無にかかっています。なかでも争点となりやすいのが、同条第5号の「夫婦関係破綻の法的判断基準」です。
司法判断においては、単なる口論や一時的な不仲ではなく、双方に婚姻継続の意思がなく、客観的にも共同生活の実態が完全に消失しているかどうかが厳格に審査されます。決定打となりやすい要素は、長期にわたる別居期間や、配偶者からの著しい精神的虐待(モラルハラスメント)です。
支配的な言動を繰り返す相手に対しては、「モラハラ夫との離婚手順と証拠集め」を秘密裏かつ周到に進める必要があります。感情的に反論することは相手を刺激するだけであり、法的効果を持ちません。法廷や調停で有効とされる客観的証拠には、次のようなものがあります。
第一に、人格を否定する暴言や執拗な詰問を記録したICレコーダーの音声データです。第二に、深夜に及ぶ長文の説教LINEや威圧的なメッセージのスクリーンショット。第三に、暴言の日時、発言内容、その時の状況を克明に記録した日記やメモです。さらに、精神的苦痛によって通院した心療内科の診断書(病名に「適応障害」や「うつ状態」が明記され、原因として家庭内不和が言及されているもの)は、重大な破綻事由を裏付ける強力な証拠となります。
自己資金に乏しい状況で頼りになるのが公的支援機関です。「法テラスや弁護士相談の評判」をリサーチする相談者は多いですが、法テラス(日本司法支援センター)では一定の収入・資産基準を満たせば、無料法律相談を受けられるだけでなく、弁護士費用の立替制度を利用できます。担当弁護士の家庭事件に関する実績や相性にばらつきがある点は留意すべきですが、経済的弱者が武器を持たずに協議の場へ引きずり出されるリスクを防ぐセーフティネットとして機能しています。