原作者・野田サトルによるキャラクターデザインの卓越性は、尾形百之助のビジュアルに遺憾なく発揮されている。前髪を掻き揚げる独特の仕草、頬に残る傷痕、そして軍服のライン。どれをとっても計算し尽くされた視覚的効果を持つ。
野田サトルは、単に格好いいキャラクターを作るのではなく、時代考証に基づいたミリタリー描写とフィクションとしての美しさを完璧に融合させた。三八式歩兵銃の金属的な質感や木目の描写、第七師団の軍服の縫い目やボタンの光沢。尾形を構成するすべての要素が、画面の中で圧倒的なリアリティを放つ。この緻密な作画のこだわりこそが、イラスト一枚からでも彼のバックボーンや孤独感を滲み出させる最大の要因だ。