懲役と禁錮の違いとは?どっちが重いか・刑務作業の実態と拘禁刑を解説

懲役と禁錮の違いとは?どっちが重いか・刑務作業の実態と拘禁刑を解説

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懲役刑に処された受刑者の日常生活は、厳格な規律と分刻みのタイムスケジュールで管理されています。平日朝6時半前後に起床し、点呼、朝食を済ませた後、7時半から8時頃には工場へ出役。夕方まで1日約8時間の刑務作業に従事します。

刑務作業の内容は、木工・金属加工・印刷・洋裁といった「生産作業」から、施設内の炊事・洗濯・清掃を担う「自角作業」、電気工事士やフォークリフト運転などの資格取得を目指す「職業訓練」まで多岐にわたります。受刑者には労働の対価としての給与ではなく、出所時の社会復帰資金となる「作業報奨金」(全国平均で月額数千円程度、時給換算で数十円水準)が支給されます。

一方で、作業義務がない禁錮受刑者の日常は一見して負担が少ないように思われがちです。しかし、刑務所の現場関係者や元受刑者の手記・記録が明かす実態は対照的です。

法務省の『矯正統計』等の報告書によると、禁錮受刑者の約80%〜90%以上が自ら「請願作業」を申請し、懲役受刑者と同じように作業を行っていたという事実があります。これには明確な心理的・環境的理由が存在します。

刑務所の規則上、作業のない禁錮受刑者は、日中の大半を単独室(独居房)の中で過ごすことを義務付けられます。横になって寝ることは許されず、畳の上に姿勢を正して座り続けなければなりません。私本や官本の読書は認められるものの、何の手仕事もなく数ヶ月から数年にわたり静座を強いられる生活は、人間の精神に凄まじい孤立感と苦痛を与えます。「何もしなくてよい」という状態は、過酷な精神的拘束へと変貌するのです。

作業に従事することで、規則的な生活リズムを保ち、他の人間と同じ空間で体を動かし、時間の経過を早めることができる。受刑者が自発的に作業を請願する背景には、精神的な健康を維持するための防衛本能がありました。

山田 真由
著者

山田 真由

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