49歳の時、竹脇さんを突如として襲ったのが重度のうつ病だった。当時は現在ほどメンタルヘルスに対する社会の理解が深くなく、心の病を公にすることは芸能生命にかかわる時代だった。激しい不安感と不眠、自己否定の感情に苛まれる日々。かつての名優が酒に頼り、苦しむ姿を家族はすぐ側で見守るしかなかった。
それでも家族は彼を見捨てなかった。妻や娘たちは彼を優しく包み込み、ゆっくりと静養できる環境を整えた。後に竹脇さんが自らの闘病記を出版し、病を公表する決断を下せた背景には、「どんな父であっても受け入れる」という家族の揺るぎない愛が存在していたのである。