熱海の歴史を紐解くと、古くは徳川家康が熱海の源泉を気に入り、江戸城まで湯を運ばせたという歴史的逸話に行き着く。明治・大正期には文豪の尾崎紅葉がこの地に滞在し、彼の未完の名作であり後に大ヒットした映画・小説『金色夜叉』の舞台として全国にその名を知らしめた。熱海はいつの時代も、時代の先駆者たちを魅了し続けてきた土地なのだ。
こうした深い歴史と文化の土壌があるからこそ、現在の飲食・製菓業を担う地元の職人たちも単なるブームで終わらない本物の味覚を追求できる。伝統の製法を守り続ける和菓子職人と、洋菓子の技術を取り入れた新進気鋭のパティシエが切磋琢磨することで、熱海の食文化はさらなる高みへと進化を遂げている。