二人の間には、長女、長男、次女の3人の子供が恵まれている。中でも長男の野村裕基は、父や祖父と同じく狂言師としての道を歩み、次世代を担う若手として熱い視線を集めている。
伝統芸能の家系における子育ては、芸の継承という独特の重圧を伴う。幼少期からの厳しい稽古に打ち込む我が子を見守りながら、母親として精神的な支柱であり続けた意義は大きい。厳格な師匠でもある父と、それに食らいつく息子。二人の緊張感あふれる関係の間に入り、温かい家庭の空気を作り出した彼女の教育的役割は、野村家の芸の継続にとっても極めて重要な意味を持っていた。