一見すると滑稽な棒人間が単純な言葉を繰り返すミーム作品『頭悪いおじさん』。ネット上でエリートの迷言が話題になるとき、このミームが皮肉を込めて引用されることが多い。超高知能を誇るはずの存在が、最も単純化された「愚者」の象徴と重ね合わされるという強烈なコントラストだ。
この現象は、視聴者側の認知の歪みも映し出す。どれほど高次元の数学的思考や医学的知識を有していても、一般的な社交性や空気を読む力が欠如していれば、一瞬で「頭が悪い」と切り捨てられる。知性とは何か。単なる情報処理能力なのか、それとも社会的な適応力なのか。ネットミームの流行は、私たちが無意識に抱く知性への過度な期待と裏返しの蔑視を露わにしている。