これまで相反する美学を持って発展してきたA24とワーナー・ブラザース。独創性と芸術性を追求するA24の尖ったセンスに、ワーナーが長年培ってきた重厚なエンターテインメントの構築力が融合した意義は大きい。これは現代の映画産業における歴史的な事件と言っても過言ではない。
安易なハッピーエンドや記号化されたラブコメディに飽き足らなくなった現代の視聴者に対し、二大スタジオが差し出す回答は極めて尖鋭的だ。感情の機微を緻密にすくい取るカメラワークと、圧倒的なスケール感。ハリウッドの資本力とインディペンデント映画の魂が交錯する場所に、まったく新しい映像美学が誕生しようとしている。