ブレントフォードの成功を「運」や「フロック(まぐれ)」で片付けるのは完全な誤りだ。その背景には、戦略的かつ再現性のある仕組みが存在する。
まず注目すべきは、関連会社「スマートオッズ(Smartodds)」との連携だ。ベンハム・オーナーが創設したこのデータ解析会社は、スポーツイベントの統計的分析を専門とする。ブレントフォードはこの会社が開発したモデルを活用し、選手の市場価値評価・パフォーマンス予測・怪我リスク管理を定量化している。
次に、スカウティング網のグローバル展開。Transfermarktのデータが示す通り、チームの海外出身選手比率は82.8%に達する。これは単に「外国人を集めた」のではなく、データが示す「割安で伸び代のある選手」を世界中からピックアップした結果だ。デンマーク、スカンジナビア、さらには北米、南米のマーケットまで広げたスカウティングにより、他クラブが見落とした原石を発掘し続けている。
そしてピッチ上の戦術面では、「高いプレッシングライン+縦に速い攻撃+セットプレーの精度」が三本柱。特にセットプレーからの得点率はリーグ上位クラスで、緻密なデザインプレーが相手守備陣を崩す場面が頻出する。「ブレントフォードのコーナーキックは芸術だ」——そう評したサッカーアナリストの言葉がSNS上で拡散されたこともあった。