テレビ受像機からスマートフォンへと視聴環境が激変するなかでも、内藤の構築するナラティブは色褪せない。むしろ、断片化されたコンテンツが消費され続けるデジタルプラットフォームにおいてこそ、その強度が際立つ。
YouTubeをはじめとする動画配信基盤では、冒頭数秒での離脱を防ぐための刺激的な演出が常套手段となっている。だが、内藤がディレクションを手掛ける映像は、安易なアテンションエコノミーに阿ることはない。ゆったりとした間(ま)、選び抜かれた色彩、物語の背後に広がる奥行き。デジタルネイティブ世代がNHKプラスなどで彼の過去作や最新プロジェクトに触れ、「初めて見るのにどこか懐かしい」と熱狂する現象は、本質的なクラフトマンシップがプラットフォームの壁を軽々と越境することを示している。