5Gの通信品質を理解する上で避けて通れないのが、使用される周波数帯の区分です。5Gには大きく分けて「Sub6(サブシックス)」と「ミリ波(mmWave)」、そして既存の4G周波数を転用した「転用5G」の3種類が存在します。
「Sub6」は3.7GHz帯や4.5GHz帯など6GHz未満の電波を用います。電波がある程度障害物を回り込む性質を保ちつつ、4Gよりも広い帯域幅を確保できるため、全国的なエリア展開の主軸となっています。対して「ミリ波」は28GHz帯などの極めて高い周波数を指し、光回線に匹敵するギガ超えの超高速通信を実現します。しかし、電波の直進性が高すぎるため、建物の壁や街路樹、さらには人体の遮蔽によってすら減衰してしまうという物理的限界を抱えています。
総務省の開示資料や業界のエリア展開実績からも明らかなように、ミリ波基地局の整備コストとカバー範囲の狭さは極めて限定的です。駅構内やスタジアムなど局所的なスポットに限られるケースが多く、日常的に掴む5Gの多くはSub6か、4Gの周波数を転用してアンテナマークだけ「5G」と表示させた転用5Gです。ネット上で「速度が4Gと変わらない」と揶揄される事象の多くは、この転用帯域を掴んでいることに起因しています。