『ガキの使い』がバラエティ史で突出しているのは、単発のウケ狙いに留まらず、何十年も反復可能な完成度の高いゲームフォーマットを発明し続けてきた点にあります。
その筆頭が「ききシリーズ」です。1999年の「ききタバコ」から端を発し、缶コーヒー、レトルトカレー、緑茶、食パンに至るまで、全盲状態で味覚や触覚を頼りに自腹を賭けて挑むこの企画。目隠しを外された瞬間に鳴り響くブザー音と屈辱のペナルティマシン進行は、シンプルでありながら人間の見栄と錯覚を完璧にエンタメ化しました。
次に挙げられるのが、芸人の純粋なネタ構成力と度胸が試される「七変化」です。会議室という閉鎖空間で、メンバーやスタッフを笑わせるごとに罰金1000円を徴収するルール。過去には次長課長・河本準一や友近、ケンドーコバヤシをはじめ、近年の若手実力派に至るまで、芸人人生の転換点となる伝説的パフォーマンスを数々生み出してきました。
さらに世界規模の波及力を持つのが「サイレント図書館」です。「図書館の中では静かにする」という絶対規範の中、超激辛料理やゴムパッチンなどの過酷な罰ゲームを全員が無音で耐え忍ぶフォーマット。これはアメリカのMTVをはじめ欧米各国のテレビ局へライセンス輸出され、日本のバラエティフォーマットビジネスの先駆例として学術的にも高く評価されています。