霧と靄の違いは視程1Km!気象庁基準と霞・煙霧の見分け方解説

霧と靄の違いは視程1Km!気象庁基準と霞・煙霧の見分け方解説

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霧や靄が発生する根底にある自然現象の原理は、学校の理科で習う「空気の冷却による飽和水蒸気量の低下」だ。気温が高い空気ほど多くの水蒸気を含むことができるが、気温が低下すると保持できる水蒸気の上限(飽和水蒸気量)が下がる。限界を超えた余剰な水蒸気は、空気中の微細なチリ(凝結核)を核として液体化し、無数の微細な水滴となって大気中を漂い始める。これが霧や靄が発生する基本メカニズムだ。

日本国内で観測される霧は、その成因によっていくつかのタイプに大別されるが、日常生活で最も頻繁に遭遇するのが放射霧(ほうしゃむり)と移流霧(いりゅうむり)の2種類だ。

放射霧は、秋から冬にかけての内陸部や盆地で頻発する。晴天で風が穏やかな夜間、地表の熱が上空へ逃げていく「放射冷却」が発生すると、地面に接した冷たい空気層が急激に冷やされる。京都盆地や長野県の盆地群、あるいは兵庫県の竹田城跡などで見られる幻想的な「雲海」は、まさにこの放射霧が低地に溜まった姿だ。放射霧は日の出とともに地表が温められると、水滴が再び蒸発して霧から靄へと薄まり、午前中には自然と消散していく特徴を持つ。

これに対して、初夏から夏にかけて北海道の釧路沖や太平洋沿岸を白く覆い尽くすのが移流霧だ。暖かく湿った空気の塊が、親潮(千島海流)などの冷たい海面の上をゆっくりと滑るように移動(移流)する際、下層から強力に冷やされて大規模な海霧(かいむ・じり)が発生する。移流霧は風に乗って広範囲の内陸へ押し寄せ、気温が上がっても容易には消散せず、数日間にわたって濃霧が居座ることも珍しくない。

このほかにも、冷たい空気が温かい水面に流れ込んで湯気のように立ち上る蒸気霧(厳冬期の川や湖で見られる川霧・気あらし)や、湿った空気が山の斜面を駆け上がることで冷やされる滑昇霧(かっしょうむ)など、地形と気流の組み合わせによって多様な姿を見せる。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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