事件当初、一部の週刊誌やネットメディアでは「IQの高い天才中学生が独自に築いた闇のルート」といった扇情的なナラティブが語られました。しかし、実態はそれとは真逆でした。組織犯罪対策本部の捜査によって浮かび上がったのは、大人の犯罪グループが刑事責任年齢(14歳)の境目にいる少年を意図的に「トカゲの尻尾」として利用していたという冷酷な搾取構造です。
上記の比較からも明らかなように、少年に渡されていた報酬は売上全体のわずか数パーセントに過ぎず、大半の利益は上位の指示役が吸い上げていました。さらに、指示役は少年の身元が割れることを前提として「捕まったら何も喋るな」と口止めしていたことも判明しています。少年は犯罪の黒幕などではなく、巧妙に設計された犯罪インフラの最も危険な最前線に立たされていた犠牲者の一面を持っていたのです。