本作の核心をなすのが、小室哲哉氏が紡ぎ出した『Body Feels EXIT』の歌詞の意味です。タイトルにある「EXIT(出口)」という言葉は、小室氏特有の「Body feels excitement(身体が興奮を感じている)」という語感遊びを含みつつも、明確に「閉塞した現状からの脱出」を象徴しています。
1995年という年は、1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が発生し、バブル崩壊後の経済的停滞が決定打となった、日本社会全体が底知れぬ不安と混迷に包まれた年でした。そうした時代背景において、小室氏はただ明るいだけの応援歌ではなく、ティーンエイジャーが日常で抱える孤独や倦怠感、どこにもぶつけようのないエネルギーをリアルに描写しました。
「言葉にならない感情を身体(Body)で表現し、出口(EXIT)を探す」という構図は、現代の青年心理学でいう「抑圧されたアイデンティティの身体化(ソマティゼーション)と昇華」そのものです。理屈や大人の説教ではなく、ビートに合わせて身体を動かすことでのみ、息苦しい現実から抜け出すことができる――この直感的なメッセージが、居場所を求めて渋谷の街頭に集まっていた女子高生をはじめとする若者たちの心の防壁を打ち破りました。この「少女の内面の葛藤」というテーマ性は、のちにリリースされ社会現象となる歴史的名盤『SWEET 19 BLUES』へと直接的に繋がっていくことになります。