絶大なメリットがある一方で、蓄膿症手術のデメリットやネットのネガティブな反応として「手術したのにすぐ再発した」「鼻ポリープを切除して後悔した」という書き込みが見受けられるのも事実です。しかし、医療関係者の証言を丹念に検証していくと、後悔に直面した患者には明確な構造的要因が存在することが分かります。
後悔を訴える最大の原因は、自身の病態が「好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)」であることを知らずに、単なる細菌性の蓄膿症と同じ感覚で手術を受けてしまったケースです。
好酸球性副鼻腔炎は、アレルギー性の白血球(好酸球)が鼻粘膜に過剰集積し、多発性の鼻ポリープ(鼻茸)や粘調度の高いニカワ状の鼻汁を生じる難治性疾患です。この疾患の場合、術後再発率が30〜50%と極めて高く、物理的に病変を切除しただけでは数ヶ月〜数年でポリープが再燃してしまいます。「手術すれば一生完治する」と思い込んでいた患者が深い失望を抱くのはこのためです。
現在では、難病指定を受けた好酸球性副鼻腔炎に対しては、手術と並行して「抗IL-4/13受容体抗体薬(デュピクセンなど)」のバイオ医薬品投与を併用する包括的治療が確立されています。また、術後に処方される毎日の「生理食塩水による鼻うがい(鼻洗浄)」を怠り、創部に血腫やかさぶたが癒着して再狭窄を起こすことも後悔の主因です。病気の正体を正しく見極め、術後管理を徹底できるかどうかが成功の分水嶺となります。