人体の中でも、足裏は首筋や脇の下と並ぶ屈指の急所です。足の裏がくすぐりの最大の弱点となっている背景には、二足歩行を支えるための特殊な構造があります。
地面に直接接する足裏には、わずかな小石や傾斜、危険な障害物を察知するため、無数の感覚受容器(マイスナー小体やメルケル盤など)が高密度に敷き詰められています。外界の情報をミリ単位でキャッチする超高感度センサーが密集している部位だからこそ、外部からの不意な接触に対して過敏に反応せざるを得ません。
さらに、原始時代において足裏の負傷は「移動能力の喪失=死」を意味しました。足裏を無防備に晒すことを本能的に避けるため、脳は足裏への接触に対して極めて強い回避行動を起こすようプログラムされたのです。