アンコールワット観光の現在地!治安の噂と入場料の真相を徹底検証

アンコールワット観光の現在地!治安の噂と入場料の真相を徹底検証

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アンコールワットの真髄を味わう上で外せないのが、夜明けとともにシルエットが浮かび上がる朝日の光景です。屈指のアンコールワット朝日鑑賞スポットとして名高いのは、第一回廊手前にある北側の聖池(リフレクティング・ポンド)前です。水面に完璧な「逆さアンコールワット」を映し出すこの位置は、世界中の写真愛好家が集うため、乾期のピーク時には午前5時の開門直後から熾烈な場所取りが始まります。人混みを避け、静謐な雰囲気を味わいたいなら、あえて南側の池畔や西参道の北側テラス付近へ回るのが知る人ぞ知る選択肢です。

朝日に照らされる五塔を眺めるとき、知っておくべきはスーリヤヴァルマン2世と歴史の真相です。12世紀前半、叔父である前王を暗殺して王位を奪取したスーリヤヴァルマン2世は、自らの権力の正統性を誇示し、自らをヒンドゥー教の最高神・ヴィシュヌ神の化身(神王・デーヴァラージャ)として神格化するためにこの途方もない国家事業を推し進めました。

その証拠に、アンコール遺跡群のほとんどが「東」を向いて建てられているのに対し、アンコールワット唯一の例外として西向きに設計されています。西はヴィシュヌ神の方角であると同時に、死者を送る方角を意味します。つまりこの寺院は、王の死後の霊廟(墓所)としての役割を最初から組み込まれていたのです。第一回廊に刻まれた「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」の精密なレリーフや、王自身の行進を描いた壁画は、自らの霊性を不滅のものにしようとした専制君主の凄まじい執念を今に伝えています。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。