銀座の夜の勢力図を塗り替えた「銀座 クラブ 姫」の歴史は、1950年代後半、昭和30年代初頭の銀座から始まりました。創業者の山口洋子氏は、1937年(昭和12年)名古屋市出身。上京後、類まれな美貌と機知を武器に、わずか19歳という異例の若さで銀座に自身の城である「姫」を構えました。
当時の銀座は、すでに老舗クラブがひしめく超一等地の激戦区でした。門外漢の若い女性が単独で店を維持すること自体が無謀と囁かれた時代に、山口氏は従来の「単にお酒を飲んで歓談する場」というクラブの概念を覆します。彼女が目指したのは、フランスのサロン文化のように「一流の知性と感性が交差する社交場」の構築でした。
山口ママ自身が文学、映画、政治、スポーツに至るまで該博な知識を蓄え、来店する客の心理や会話の機微を瞬時に見抜く卓越した洞察力を発揮。開店から瞬く間に、各界のトップランナーたちが「彼女と話したい」「姫の空気に浸りたい」と足を運ぶようになり、銀座を代表する最高峰の格式を誇る高級クラブへと登りつめました。