民間に溶け込んだ旧皇族たちだが、天皇家との関係が完全に断絶したわけではない。その象徴が「菊栄親睦会」と呼ばれる親睦団体だ。
菊栄親睦会は、天皇家、秋篠宮家をはじめとする現皇族と、旧11宮家の元皇族・その男系子孫たちで構成されている。年に数回、皇居での新年祝賀や節目のレセプションで顔を合わせ、親睦を深める場として機能してきた。宮内庁もこの集まりを非公式ながら極めて重要な皇室の縁戚ネットワークとして把握している。
だが、その距離感は絶妙だ。宮内庁が彼らの私生活や職業選択に介入することは一切ない。あくまで法的には「一般国民」であり、納税義務もあれば選挙権もある。特別な警護がつくことも基本的にはない。この「法的な完全分離」と「儀礼的な繋がりの維持」という二面性が、旧宮家の人々の立ち位置を独特なものにしている。