神出神社の歴史の深さを知る上で欠かせないのが、出雲神話と播磨風土記の世界観です。主祭神として祀られているのは、日本神話の英雄である素盞嗚尊(スサノオノミコト)と、その妻である奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)。この二柱の夫婦神がこの山に降臨し、多くの神々を生み育てたという伝承こそが、「神が出づる土地=神出」という地名の直接の起源とされています。
神出神社の鎮座する雌岡山(めっこやま)は、東に位置する雄岡山(おっこやま・標高約241メートル)と対をなす「夫婦山」として古くから信仰を集めてきました。播磨国風土記にも記されたこの二つの山は、遠くから見るとまるで寄り添うような美しい円錐形を描いており、古代の人々が自然そのものに神性を見出した巨石信仰・山岳信仰の原型を今に伝えています。
神出神社のご利益は、夫婦神が多数の御子神をもうけたという神話に由来し、縁結び・夫婦円満・子宝安産・家内安全において絶大な信仰を集めています。社殿の背後や周辺に広がる深い森に足を踏み入れると、数千年の時を超えて地域の人々が祈りを捧げ続けてきた厳かな気配が肌に伝わってきます。