ネット上には喉の痛みに関する多種多様な情報が氾濫していますが、医学的に誤った認識や逆効果となるアプローチも少なくありません。ここで代表的な誤解を是正しておきます。
第一の誤解は、「ポビドンヨードなどの強力な消毒系うがい薬で何度も喉を消毒すれば早く治る」という俗説です。感染初期を過ぎて粘膜が激しく炎症・ただれている段階で強い刺激性を持つ消毒薬を頻回に使用すると、ウイルスだけでなく新しく再生しようとしている正常な上皮細胞まで傷害され、粘膜の治癒が大幅に遅れるリスクがあります。痛みがピークの時期は、刺激のないぬるま湯や生理食塩水によるマイルドなうがいに留めるのが鉄則です。
第二の誤解は、「ロキソニンを規定量以上飲めば喉の痛みも消える」という過剰服薬です。前述の通り、痛みの原因が粘膜の物理的損傷である場合、中枢への鎮痛シグナル遮断だけでは痛みを完全にゼロにすることは困難です。効果が得られないからと短時間で追加服用すると、重篤な胃粘膜障害や腎機能低下を引き起こす危険性があります。