左ヒラメに右カレイ」は嘘?ヒラメとカレイの違いと見分け方の真相

左ヒラメに右カレイ」は嘘?ヒラメとカレイの違いと見分け方の真相

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料理人の世界では古くから「ヒラメは刺身、カレイは煮付け」と言われてきました。この棲み分けは単なる慣習ではなく、魚肉に含まれるタンパク質、水分、そして運動生理学に基づいた科学的根拠があります。

ヒラメとカレイの味の違いを決定づけているのは、運動量による筋繊維密度の違いです。小魚を猛スピードで追いかけるヒラメの身は、水分が少なく筋繊維が緻密で強靭です。アデノシン三リン酸(ATP)が分解されて生じるイノシン酸(旨味成分)を豊富に蓄え、コリコリとした歯ごたえと噛むほどに広がる澄んだ甘みを持ちます。加熱すると身が締まりすぎてパサつきやすいため、薄造りにしてポン酢で食す、あるいは昆布締めで余分な水分を抜き旨味を凝縮させる生食調理がもっとも適しています。

一方のカレイは、海底に横たわってあまり泳ぎ回らないため、身の水分量がヒラメよりも約3〜5%高く、肉質が柔らかい特徴を持ちます。また、皮や骨の周りには熱によって容易にゼラチン化するコラーゲンが豊富に含まれています。刺身にすると水分が多くて身がだれやすい反面、醤油やみりんで甘辛く煮付けると、煮汁を含んでふっくらと仕上がり、煮凝り(にこごり)を伴う濃厚なコクを生み出します。高温の油で揚げる唐揚げにしても、外はカリッと中はジューシーな食感が際立ちます。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。