なぜアメリカの州名?バーモントカレー由来とりんごハチミツの真相

なぜアメリカの州名?バーモントカレー由来とりんごハチミツの真相

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「バーモントカレー」という名称の直接のルーツは、アメリカ・バーモント州に伝わる伝統的な民間療法を基にした「バーモント健康法」にあります。アメリカに実在する州名でありながら、現地にカレー料理が存在していたわけではありません。

1958年、アメリカの医学博士D.C.ジャービス(DeForest Clinton Jarvis)が執筆した『Folk Medicine: A Vermont Doctor's Guide to Good Health(バーモントの民間医療)』が出版され、全米で数百万部を超える大ベストセラーを記録しました。この本の中で提唱されたのが、「りんご酢とハチミツを水で割って毎日飲むことで、長寿と健康を維持できる」という理論です。自然豊かなバーモント州の人々が長寿である秘訣として紹介されたこの健康法は、1960年代初頭の日本にも翻訳・輸入され、瞬く間に社会現象となる大ブームを巻き起こしました。

当時、新しい即席カレールーの開発に挑んでいたハウス食品の開発チームは、この「りんご」と「ハチミツ」の組み合わせに着目しました。身体に良いとされるリンゴとハチミツを取り入れた画期的なカレーを世に送り出すにあたり、健康と長寿の象徴として世間に定着していた地名を冠し、「バーモントカレー」と命名されたのです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。