「確かに存在するはずの本なのに、愛知県図書館の蔵書検索でヒットしない」――利用者の多くが直面するこの問題には、図書館情報システム特有の明確な構造的理由が存在します。検索窓に文字を打ち込んでも「該当なし」と表示されてしまう場合、以下の4つの盲点を点検する必要があります。
第一の理由は、表記ゆれと完全一致の罠です。愛知県図書館の標準検索エンジンは高度化しているものの、外国人人名(例:ドストエフスキー/ドストエフスキイ)や、歴史的仮名遣い、サブタイトルの記号(コロンやダッシュの有無)によって検索漏れが発生することがあります。これを回避するには、書名の全体を入れるのではなく、特徴的な単語2〜3文字をスペースで区切って「中間一致(AND検索)」をかけるのが鉄則です。
第二の理由は、「雑誌内記事」や「論文」を単行本として検索しているケースです。愛知県図書館は膨大な逐次刊行物をバックナンバーを含めて保管していますが、雑誌の中に掲載された個別の特集名や論文タイトルは、通常の図書OPACのタイトル検索ではヒットしません。「雑誌・新聞総合目録」を活用するか、国立国会図書館の「NDLサーチ」や「CiNii Research」で雑誌名・巻号を特定してから、愛知県図書館の蔵書でその雑誌のバックナンバーを所蔵しているか検索するというステップを踏む必要があります。
第三の理由は、閉架書庫資料や別置記号の存在です。愛知県図書館の全所蔵資料約128万冊のうち、利用者が直接立ち入れる開架エリアに並んでいるのはおよそ20万冊程度に過ぎません。残る100万冊以上は地下やバックヤードの集密書架に眠る「閉架資料」です。OPAC検索結果の所在区分に「閉架」と表示されている場合、館内OPACから出納依頼をかけるか、カウンターで職員に出納を依頼しなければ閲覧できません。「書架を見に行って無かったから諦める」のは最大の誤解です。
第四の裏ワザとして絶対に知っておくべきなのが、ISBN(国際標準図書番号)によるダイレクト検索です。ネット書店等に記載されているハイフンなしの13桁(または10桁)の数字を入力すれば、書名の表記ゆれや翻訳表記の違いを完全にバイパスし、所蔵の有無を0.1秒で白黒判定できます。