熱海駅から車で北へ約10分、あるいは海から続く837段の長い石段を登りつめた高台に、伊豆山(いずさん)神社が鎮座する。相模湾を一望するその圧倒的な眺望は、一瞬で参拝者の息をのませる。
ここはかつて鎌倉幕府を開いた源頼朝と、その妻・北条政子が忍び逢いを重ね、結ばれた場所として名高い。「強運」と「縁結び」の神として知られ、境内にはふたりが腰掛けたと伝わる「頼朝・政子の腰掛け石」が今も残る。赤と白の二龍(強運の赤龍、財運の白龍)をシンボルとする独特の龍神信仰は、伊豆修験道の霊場として栄えた修験者の熱気を現代に伝えている。風が吹き抜ける境内で相模湾を見下ろすと、かつての武将たちが抱いた野望と情熱の残り香が感じられるはずだ。