音が鳴る部位として足首と並んで多いのが、歩行時の踏み込み時に生じる甲の異音です。足の甲関節が鳴る原因を追究していくと、足根骨を構成するリスフラン関節やショパール関節の構造的トラブルに行き当たります。足の甲には本来、立体的なドーム状の「横アーチ」と「縦アーチ」が存在しますが、筋力低下や合わない靴によってこのアーチが低下すると、骨同士の噛み合わせが狂って歩くたびに衝突音や摩擦音が生じるようになります。
ここで極めて密接に関わっているのが偏平足と関節が鳴る関係です。土踏まずが潰れた偏平足では、踵の骨が内側に倒れ込む「過回内(オーバープロネーション)」が発生します。距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)のアライメントが崩れると、足首の可動域が偏り、特定の腱や関節包に過剰な牽引力が集中して「ポキポキ」という異音を日常化させます。
さらに視野を広げると、足元だけの問題にとどまりません。骨盤の歪みと足関節の違和感は、運動連鎖(キネティックチェーン)として全身に波及します。骨盤が前傾または左右非対称に傾くと、大腿骨や脛骨(すねの骨)が内旋し、そのしわ寄せが最終着地点である足関節へと集中します。左右どちらか片方だけ頻繁に関節が鳴るというケースでは、骨盤や股関節の左右差による荷重バランスの偏りが根本原因である例が少なくありません。