栗原はるみさんのレシピが長年にわたり愛好されるのは、基本のコンソメスープが研ぎ澄まされているからこそ、バリエーション展開が極めて自然に行える点にあります。その日の気分や家族の好みに合わせて柔軟に姿を変えられるのも大きな魅力です。
代表的なアレンジの一つが、和風ロールキャベツです。出汁をベースにしつつ、薄口醤油、みりん、少量の酒を加え、隠し味に生姜の搾り汁をひと垂らしします。肉だねに鶏ひき肉を一部ブレンドしたり、仕上げに柚子の皮を散らしたりすることで、料亭の椀物を思わせる上品な佇まいになります。胃腸が疲れているときや、年配の家族と一緒に食卓を囲む際にも大変喜ばれる仕上がりです。
もう一つの定番であるトマト煮込みでは、ホールトマトを手で丁寧に潰しながら加え、コンソメスープと白ワインを合わせてじっくり煮込みます。栗原流のコツは、トマトの酸味を立たせすぎないこと。弱火でコトコトと煮込む過程でキャベツの糖分を引き出し、必要に応じて隠し味にほんの少しのバターや砂糖を加えることで、角の取れたまろやかなコクを生み出します。
メインディッシュとしての存在感が強いロールキャベツには、全体のバランスを考慮した副菜選びが欠かせません。コンソメ味には、「粉ふき芋」や「人参とセロリのシンプルなグリーンサラダ」、あるいは「ガーリックトースト」が好相性です。一方、濃厚なトマト煮込みには、酸味をリセットする「ポテトサラダ」や「きのこのマリネ」を添えることで、食卓全体のリズムが整います。