この事件がエンタメ界に与えた最大のダメージは、放映目前に迫っていた大型プロジェクトの崩壊である。とりわけ、NHK大河ドラマ『光る君へ』への出演取り消しは、放送局にとって痛恨の極みであった。歴史劇の重要キャストとしてクランクインを控えていた段階での降板劇は、脚本の変更や代役の手配、再撮影のスケジュール調整など、関係者に超人的な対応を強いることとなった。
撮影済みカットの差し替えや代役選定の舞台裏では、連日不眠不休の議論が交わされたとされる。億単位の損害賠償や違約金の発生、スポンサー企業の対応など、一人の俳優の不祥事がもたらす経済的波及効果はあまりにも膨大であった。作品の質を損なうことなく穴を埋めようとする制作陣の必死の苦闘は、まさに裏側の過酷な現実を物語っている。