さらに一歩進んだ表現を求めるなら、イギリス発祥の伝統技法であるスタンプワーク(立体刺繍)の導入が面白い。極細のワイヤーを布の輪郭に沿わせて縫い留め、その上を密にステッチで覆ってから布ごと切り抜く。こうして作られた小さな翅は、指先で自由に角度を変えることができる。
閉じた翅の奥から薄い下翅が覗く瞬間や、今まさに飛び立とうとするダイナミックな造形は、見る者を驚かせる。型紙の取り方ひとつで、ナナホシテントウの愛らしさも、二ホシテントウのシックな雰囲気も自在にコントロール可能だ。お気に入りのリネンバッグの片隅や、無地のキャップのサイドにそっと這わせるだけで、量産品にはない唯一無二の物語が宿る。