分類学上、熊はネコ目(食肉目)クマ科に属する大型哺乳類です。この「食肉目」という分類名が、熊は肉食であるという強い先入観を生む一因となっています。しかし、実際の熊の食性は雑食であり、摂取エネルギーの大部分を植物に依存しています。
春先にはフキノトウやセリ、草の若芽を食み、初夏にはアリやハチなどの昆虫類、夏から秋にかけてはヤマブドウやサルナシなどの果実、そして冬眠前にはドングリやクリといった堅果類を大量に摂取します。熊の消化器官や臼歯の形状は、繊維質の多い植物を効率よくすり潰して消化できるよう進化しており、日常的に獲物を追って狩りをする肉食獣の構造とは一線を画しています。
つまり、熊にとって肉は「日常的な主食」ではなく、「機会があれば口にする高タンパクな補助食」という位置づけが本来の姿です。