2026年現在、若者たちの間で急速に広まっているのが「デジタル・デトックス」のさらに先を行く「野生の回復」というムーブメントだ。週末になるとスマホを自宅に置き、あえて電波の届かない山林やキャンプ場へと向かう若者が急増している。彼らの合言葉になっているのが、あの映画のワンシーンだ。
都内のIT企業に勤める20代の女性は語る。「毎日、画面の中で完璧に加工された他人の人生を見せつけられていると、自分が生きているのか死んでいるのか分からなくなる。でも、森の中で泥にまみれ、火を起こしていると、アシタカの言葉が頭をよぎるんです。飾らない、そのままの自分で生きていていいんだと、妙に救われた気持ちになります」