車内で吸えないとなると、次に愛煙家が模索するのが「途中の停車駅のホームに降りて吸う」という選択肢です。しかし、この行動には2つの大きな落とし穴が存在します。
第1の落とし穴は、駅ホームの喫煙所自体が急速に撤去されている点です。JR西日本エリアでは2024年の車内喫煙室廃止と連動し、新幹線駅ホーム上の喫煙コーナーも大規模に整理されました。現在、新幹線ホーム上に喫煙所が残存している駅は主要ターミナル駅(新大阪駅、名古屋駅、博多駅など)の一部に限られており、各駅停車のこだま号が停車するような地方駅ではホーム上から灰皿が完全に撤去され、改札外の指定喫煙所まで出なければ吸えないケースが大半です。
第2の落とし穴は、新幹線の停車時間は「わずか数十秒から1分程度」であるという物理的な制約です。のぞみ号の場合、新横浜、名古屋、京都、新大阪といった主要駅であっても、通常の乗降停車時間は1分から2分程度しかありません。ホームに降りて喫煙所へ小走りで向かい、タバコに火をつけたとしても、吸い終わる前に発車メロディが鳴り響きます。
⚠️ 「置いてきぼり」事故が多発する構造的リスクホームに出て喫煙しようとした乗客が、発車ベルに気づかずドアが閉まり、荷物や財布を車内に置いたままホームに取り残されるトラブルが後を絶ちません。新幹線のドアは安全確認が完了次第、定刻通り容赦なく閉まります。発車直前に駆け込み乗車を試みれば、ドア挟まりによる非常停止ボタンの作動など重大インシデントに直結します。
長距離移動中にどうしても喫煙したい場合の唯一の正攻法は、「特急券を分割して購入し、途中駅で後続列車への乗り継ぎ時間を30分以上確保する」ことです。新幹線回数券が廃止された現在、スマートEXやエクスプレス予約の予約変更機能を活用し、新大阪駅などで意図的にインターバルを設けるビジネスパーソンが増加しています。