「一瞬でムダ毛が消える」という安易な期待の裏には、皮膚科医が警鐘を鳴らす惨状が待ち受けている。梱包用ガムテープの強力な粘着剤は、すね毛を引っ張るだけでなく、皮膚の最外層を守る大切な角質層まで一緒にむしり取ってしまう。バリア機能を瞬時に奪われた肌は、皮がめくれた剥き出しの状態だ。
強引に毛根が引きちぎられることで毛穴内部に傷がつき、ブドウ球菌などの細菌が侵入して赤く化膿する「毛嚢炎(もうのうえん)」を発症するケースは極めて多い。さらに深刻なのは、破壊された皮膚が受ける激しいダメージへの防御反応である。炎症を起こした皮膚は過剰なメラニン色素を生成し、数か月〜数年にわたって茶褐色や黒ずみが残る「炎症後色素沈着」を引き起こす。安上がりの罰ゲームの代償が、一生消えないシミとなって残るリスクがあるのだ。