「まさかこんな駅近くの公園で、あの鮮やかな赤に出会えるなんて夢にも思わなかった」
東京郊外の緑地公園でカメラを構えていた50代の男性は、そう言って興奮気味に撮影したばかりのモニターを指差した。画面の中で枝に留まっているのは、夕日のような朱色を全身にまとったベニマシコのオスだ。従来、冬鳥として越冬のために飛来する彼らは、草むらや藪の奥深くに身を隠すことが多く、一般市民が容易に目にする機会は限られていた。
しかし、2026年春の観察データはこれまでと明らかに異なる傾向を示している。首都圏の大型公園だけでなく、関西の河川敷、さらには地方都市の街路樹周辺でも、鮮やかな赤色を持つ野鳥たちの目撃数が前年比で約140%増加。SNS上では「#朱色の訪問者」などのハッシュタグが自然発生し、連日美しい写真がタイムラインを彩っている。