「惑星のダンス」を聴いてまず驚かされるのは、その異常なまでに緻密なサウンドデザインだ。宇多田の持つ、憂いを帯びたハスキーで深い倍音。そして米津の、ざらついた質感と圧倒的な説得力を持つ中低音。この二つの声が重なった瞬間、まるで一本の巨大な弦が震えているかのような錯覚を覚える。
ボーカルの処理には、最新の立体音響技術が惜しみなく投入されている。ヘッドホンで聴くと、右耳から宇多田の吐息が漏れ、左耳からは米津のハミングが脳を直接揺さぶる。声そのものを最大の「楽器」として捉え、極限まで解剖し尽くした結果が、この3分45秒に凝縮されているのだ。