どれほど知性で結ばれた夫婦であっても、異なる文化背景を持つ者同士の共同生活には摩擦がつきものです。マライ夫妻は、日常のズレをどのように乗り越えているのでしょうか。
ふたりの日常会話は基本的に日本語で行われています。マライ氏の日本語能力は極めて高く、日本の微細なサブカルチャーの文脈まで完全に把握しているため、言語そのものによる意思疎通の断絶はほとんどありません。
しかし、「意思表示の明確さ」という点では日独のカルチャーがぶつかることもあります。ドイツ文化圏では「思っていることは論理的にすべて言葉にしてテーブルの上に出す」のが礼儀であり誠実さとされますが、日本的な夫は時に「言わなくても察してほしい」「あえて言葉を濁す」場面があるからです。
これに対し、夫妻は「感情的な勝ち負け」に持ち込むのではなく、「なぜそのリアクションが生じるのか」を社会学的な現象として客観的に分析し合うというユニークな解決アプローチをとっています。喧嘩のテーマすらも研究対象に変えてしまう知的な余裕こそが、関係を長続きさせる最大の秘訣と言えるでしょう。
【プロの結論】国際結婚で破綻しない夫婦の共通点|向いている人・慎重になるべき人の判断基準
家族社会学および国際関係心理学の観点から見ると、マライ夫妻の結婚生活には、現代人が学ぶべき極めて本質的なレッスンが含まれています。
国際結婚が破綻する典型的な原因は、「文化の違い」を免罪符にして話し合いを放棄すること、あるいは相手に依存して「心理的バウンダリー(自他の精神的境界線)」が曖昧になることです。マライ夫妻が極めて安定しているのは、互いが1人の研究者・職業人として精神的にも経済的にも完全に自立しているからです。
▼ 国際結婚や独自のパートナーシップに向いている人 ・相手を自分の所有物や都合の良い理解者とみなさず、独立した人格として尊重できる人 ・意見の対立を「攻撃」と受け取らず、冷静な議論(ディスカッション)を楽しめる知性がある人 ・「察して文化」に依存せず、自分の要求や感情を正確な言葉で説明する努力を怠らない人
▼ 国際結婚や自立的パートナーシップに慎重になるべき人 ・「相手が外国人だからカッコいい」「異文化の優しさに包まれたい」といった漠然としたファンタジーを抱いている人 ・言葉にしない不満をため込み、相手が察してくれないことに不機嫌(受動攻撃)で返す癖がある人 ・夫婦や家族は「常に一体で同じ価値観であるべき」という共依存的な規範に縛られている人