フェンタニル危機なぜ中国が名指し?米中対立の火種と日本のリスク

フェンタニル危機なぜ中国が名指し?米中対立の火種と日本のリスク

フェンタニル危機なぜ中国が名指し?米中対立の火種と日本のリスクについて重要なポイントを解説いたします。詳細な分析をご覧ください。

Q1:なぜフェンタニルは従来の麻薬(コカインやヘロイン)よりも安く出回るのですか?
A1:フェンタニルは農地や気候に依存しない「完全な化学合成ドラッグ」だからです。中国国内の広大な化学工業地帯で安価に大量生産される汎用化学物質を原料とし、数千人規模の致死量を数時間で密造できます。密輸時の体積も極小で済むため、輸送コストと摘発リスクが劇的に低く、犯罪組織にとって並外れて利益率が高い商品となっています。

Q2:米中首脳会談でフェンタニル対策が合意されたのに、なぜ密輸は止まらないのですか?
A2:政治的合意があっても、中国国内の無数の零細化学メーカーを完全に監視・摘発することが極めて困難であるためです。また、規制対象外の類似物質(デザイナードラッグ)への切り替えが極めて早く、中国側にとっても対米外交の駆け引き材料(レバレッジ)として機能している側面があるため、抜本的な協力関係が長続きしない構造的欠陥があります。

Q3:日本国内でもすでにフェンタニルの密輸や乱用被害は出ているのでしょうか?
A3:はい、水面下で危機は進行しています。中国から日本を中継地点として米国へ不正輸出を図る「迂回密輸ルート」が日米当局の捜査によって確認されているほか、税関での微量押収事例も報告されています。まだ米国のような大規模なストリート蔓延には至っていませんが、ネット通販やSNSを通じた偽造薬の流通経路が存在する以上、日本国内でも予断を許さない状況です。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。