1997年、映画界の巨人であり玉緒の夫であった勝新太郎がこの世を去った。遺されたのは途方もない喪失感と、当時十数億円とも報じられた莫大な借金だった。
未曾有の苦境のなか、彼女の芸能活動を強力に支えたのが吉本興業ホールディングスとの連携だ。さんまという絶対的な盟友がいるフィールドへ本格的に軸足を移すことで、玉緒は「悲劇の未亡人」として消費されることなく、明るく逞しいタレントとしてのポジションを確立した。
伝統的な大映映画の銀幕スターが、吉本のお笑いカルチャーと融合する。その異色のコラボレーションは、当時の日本のテレビ界における最大のサプライズであり、見事なサバイバル劇でもあった。