加齢黄斑変性は、その発症メカニズムと進行スピードによって「滲出型(ウェットタイプ)」と「萎縮型(ドライタイプ)」の2つに大別されます。この病型の違いを正しく理解することが、適切な治療方針を決める第一歩となります。
日本人に特に多く見られるのが「滲出型」です。網膜の土台である網膜色素上皮の下から、本来は存在しない脆い「脈絡膜新生血管」が異常発生し、そこから血液や水分が漏れ出して黄斑組織を破壊します。滲出型の最大の特徴は進行スピードが非常に速い点です。放置すると数ヶ月から数年の間に深刻な視力喪失に至り、失明確率が著しく跳ね上がります。一方で、早期に新生血管を抑え込む治療を行えば、視力の維持や改善が期待できます。
対する「萎縮型」は、網膜色素上皮が加齢に伴う変化によって徐々に変性し、少しずつ組織が萎縮していくタイプです。出血や水漏れを伴わないため、進行は年単位と緩やかですが、一度失われた網膜細胞の再生は極めて困難です。どちらのタイプであっても、網膜の状態を正確に見極める定期的な経過観察が欠かせません。