ヒュッゲな空間を作る上で、デンマーク人が最も情熱を注ぐのが「光のデザイン」です。北欧の住まいでは、部屋全体を天井から均一に白く照らすシーリングライトはほとんど使われません。視界に眩しさを与えない色温度2700K以下の温かみのある電球色を用い、複数の光源を分散させて光のグラデーションを生み出します。
名作として知られるポール・ヘニングセン設計のペンダントライトに代表されるように、光源が直接目に入らないグレアフリー(眩しさのない)設計の間接照明を部屋の隅やテーブルの上に低めに配置するのが鉄則です。空間に明暗のメリハリをつけることで、心地よい巣穴のような安心感が生まれます。
さらに欠かせないのが「キャンドルの灯り」です。デンマークにおける1人あたりの年間キャンドル消費量は約6kgにおよび、欧州でも屈指の数字を誇ります。特別な記念日だけでなく、普段の朝食や夕食、ひと息つくティータイムにも本物の火を灯します。不規則に揺らぐ小さな炎(1/fゆらぎ)が、副交感神経を優位にして心身の緊張を自然と解きほぐします。