丹精込めて挿したペチュニアが黒ずんで倒れてしまう現象には、主に3つの明確な生理的要因があります。栽培現場の検証データや愛好家のトラブル相談を精査すると、良かれと思って行った手入れが逆効果になっているケースが大半を占めています。
第一の要因は「培地の雑菌と未熟な有機物」です。草花用の培養土には栄養分(元肥)や堆肥が含まれており、切り口から未発根の状態で雑菌が侵入すると、導管が閉塞して軟腐病のような腐敗を引き起こします。挿し芽の初期段階においては、無菌かつ無肥料のペチュニアの挿し芽用土(赤玉土小粒やバーミキュライト)を使用することが絶対条件です。
第二の要因は「葉からの過剰な蒸散」です。根がない挿し穂は、切り口の吸水力だけで体積を維持しなければなりません。大きな葉を何枚も残したまま直射日光に当てると、吸水量を蒸散量が上回り、細胞壁が不可逆的な脱水崩壊を起こします。下葉を取り除き、残す葉も半分にカットする処置が欠かせません。
第三の要因は「用土の過湿による酸欠」です。水を切らしてはならないという意識が強すぎるあまり、受け皿に水を溜め続けたり、密閉しすぎたりすることで土中の酸素が枯渇し、根端の細胞分裂が停止してしまいます。