あれから2年が経過した。一時的なブームとして消費され、消えていくイベントは数多い。しかし、2026年の大狂騒を経て、日本のスイーツシーンは確実に変化した。かつては一部の愛好家だけのものだった「キャロットケーキ」や「ヴィクトリアスポンジ」は、今や街の普通のカフェの定番メニューだ。
また、英国展で名を馳せた現地のベイカーが、日本に常設店を構えるケースも増えた。イベントという「非日常」だったものが、私たちの「日常」へと溶け込んでいったのだ。あの熱狂的なスケジュールを追いかけた日々は、日本人の味覚の幅を広げるための、幸福なリハーサルだったのかもしれない。