ピーエル配合顆粒を服用した多くの患者が直面するのが、抗いがたい強烈な眠気と集中力の減退です。この主因は、配合成分であるプロメタジンメチレンジサリチル酸塩にあります。プロメタジンは脳内の血液脳関門を容易に通過し、覚醒状態を維持するヒスタミンの働きを強くブロックします。そのため、添付文書上でも「自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」と明確に義務付けられています。
さらに臨床現場で最も厳格な警戒が払われているのが、インフルエンザや水痘(水ぼうそう)、新型コロナウイルス感染疑い時の服用です。その理由は、主成分のサリチルアミドにあります。
サリチルアミドはサリチル酸系化合物であり、小児や若年者がインフルエンザ等の発熱性ウイルス疾患罹患時にサリチル酸系製剤を服用すると、急性脳症と肝臓の脂肪浸潤を特徴とする極めて致死率の高い疾患「ライ症候群(Reye's syndrome)」を発症するリスクが医学的に証明されています。日本感染症学会および厚生労働省の指針においても、インフルエンザ流行期の発熱に対して自己判断でサリチル酸系配合剤を飲むことは固く戒められており、解熱が必要な場合はサリチルアミドを含まない単剤のアセトアミノフェン製剤を選択するのが鉄則です。
また、抗コリン作用による眼圧上昇や尿道括約筋の緊張を招くため、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症による排尿障害を持つ患者への投与は禁忌と定められています。重篤な消化性潰瘍、アスピリン喘息の既往歴がある患者も服用できません。