冬季五輪スノーボード日本躍進の真相と2026ミラノ大会の金メダル候補

冬季五輪スノーボード日本躍進の真相と2026ミラノ大会の金メダル候補

冬季五輪スノーボード日本躍進の真相と2026ミラノ大会の金メダル候補にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

スノーボード競技、とりわけハーフパイプやスロープスタイルにおいて、常にファンや関係者を悩ませてきたのが「採点基準のブラックボックス化」です。2022年北京五輪の平野歩夢選手の2本目採点を巡っては、X(旧Twitter)上で「#JudgesScandal(審判の不正)」「歴史上最悪の誤審」といったワードが世界的なトレンド入りを果たし、米国の五輪公式中継アナウンサーまでもが「ジャッジは自らの信頼を完全に破壊した」と生放送で激怒する事態に発展しました。

なぜこのような事態が起きたのか。FIS(国際スキー・スノーボード連盟)の採点方式は、全体的な印象を数値化する「オーバーオール・インプレッション(Overall Impression)」を採用しています。ジャッジは「難易度(D)」「完成度(E)」「振幅・高さ(A)」「多様性(V)」「着地(L)」の5要素を瞬時に総合判断し、100点満点で採点します。しかし、北京五輪当時は「トリプルコーク1440」という前人未到の危険技に対し、どの程度の加点を与えるべきかという統一基準が審判員の間で消化しきれていなかった実態が、後の関係者取材で浮き彫りになりました。

この騒動を契機に、ネット上やコミュニティでは「主観的な採点競技からAIによる客観的数値ジャッジへ移行すべきだ」という議論が巻き起こりました。FIS側も危機感を強め、ジャッジングシステムの透明化と採点基準の細分化、審判員への最新トリック研修を大幅に強化する改革を断行しました。現在の採点では、回転数だけを偏重するのではなく、技の軸の傾き(オフアクシス)の美しさや、着地時に手が雪面に触れる「微細なスリップ」の減点幅が厳密にルール化されています。

また、五輪出場を巡る「日本代表選考基準の経緯」も、国内外から常に熱い視線を集めています。全日本スキー連盟(SAJ)が定める派遣推薦基準は、FISワールドカップでの表彰台実績や世界ランキングの指定順位を厳密にクリアすることが求められます。世界トップ10のうち半分を日本人選手が占める種目も珍しくないハーフパイプ男子などでは、「五輪でメダルを獲ることよりも、日本代表の4枠に残ることの方が遥かに難しい」と選手自身が吐露するほどの超激戦が繰り広げられているのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。