ハンドルキーパーをめぐる法律関係は極めて厳格です。「運転手だけが気をつければいい」という甘い認識は通用しません。もしもハンドルキーパーが誘惑に負けて一口でも飲酒し、そのままハンドルを握った場合、道路交通法罰則によって周囲の全員が刑事処分の対象となります。
法律上、特に注意すべきは以下の3点です。
- 飲酒運転同乗者罪(道路交通法第65条第4項):ドライバーが酒気を帯びていることを知りながら車に同乗した場合、同乗者にも「2年以下の懲役または30万円以下の罰金(酒気帯びの場合)」、あるいは「3年以下の懲役または50万円以下の罰金(酒酔いの場合)」が科されます。運転免許を所持していれば、同乗者自身も免許停止や取消の行政処分を受けます。
- 酒類提供者の責任(道路交通法第65条第3項):車を運転して帰ることが分かっているドライバーに酒類を提供した店舗側も厳正に処罰され、営業停止処分や刑事罰の対象になります。
- ハンドルキーパー事故責任と民事上の損害賠償:飲酒運転で人身事故を起こした場合、ドライバーはもちろん、飲酒を制止しなかった同乗者に対しても「運行供用者責任」や共同不法行為が認定され、数千万円から億円単位にのぼる損害賠償の一帯責任を負わされる判例が確立しています。
「場の空気を壊したくないから」と同乗者が飲酒を止めなかった場合、法廷では「共犯」と同等に見なされます。