ビジネスマナー推進団体や大手企業総務部へのヒアリング調査、ならびに各種マナー意識調査の傾向を見ると、「社内精算や取引先への現金の渡し方で違和感を覚えたことがある」と回答したビジネスパーソンは約68%に達しています。特に指摘が多いのが「茶封筒の使い方」と「お車代の渡し方」に関する不作法です。
まず、オフィスで広く使われる一般的なクラフト紙の「茶封筒」についてです。茶封筒は本来、事務書類や社内回覧用として設計された簡易封筒であり、取引先への謝礼やお車代、慶事の金封として茶封筒を使用するのはマナー違反とみなされます。公式なお礼や謝礼金をお渡しする際は、郵便枠(郵便番号の赤枠)のない「白無地の二重封筒(あるいは奉書紙封筒)」を使用するのがビジネスマナーの鉄則です。
ただし、社内での飲み会代の集金や同僚間の立替金精算など、インフォーマルな場面で茶封筒を使用すること自体は問題ありません。その際も、「お札の向きを表・上で揃える」「表書きに『〇〇代(氏名)』と明記する」「封の口は折るだけで糊付けしない(その場ですぐ確認できるようにするため)」という気遣いができるかどうかが、ビジネスにおける信頼感を左右します。
また、結婚式やビジネスイベントのゲストに渡す「お車代」においても現場でのミスが多発しています。代表的なNG例が以下の3点です。
- 糊付けでガチガチに密閉してしまう:お車代や寸志は、受取人が帰路などで金額を確認しやすくするため、封緘シールを貼る程度にとどめるか、水引付きのポチ袋なら折り返すだけで糊付けしないのが原則です。
- 新旧の紙幣が混ざっている:複数枚包む際、1枚だけ新札で残りがシワだらけの旧札になっていると、「手元にあったお金を適当に詰め合わせた」という印象を与えてしまいます。
- 金額に対して封筒が不釣り合い:1万円以下のお車代に大判の豪華なご祝儀袋を使ったり、逆に10万円の高額謝礼を小さなポチ袋に三つ折りで詰め込んだりするのは不作法です。1万円未満はポチ袋、1万〜3万円は略式祝儀袋や白封筒、5万円以上は格式ある本折りの祝儀袋を選ぶのが相応しいバランスです。