タイトルの『命枯れても』という言葉は、日常会話ではまず耳にしない極限状態のメタファーです。この言葉の由来と歌詞の意味を深く読み解くと、昭和の女性が抱いていた過酷なまでの愛情構造が浮かび上がってきます。
主人公が吐露するのは、「たとえ我が身の生命が燃え尽き、枯れ果てようとも、一途にあなたを愛し抜く」という狂おしいまでの覚悟です。高度経済成長期の陰で、社会的な制約や身分差、時代の荒波に翻弄されながらも、愛する人への想いだけを生きる拠り所とした女性の心理が克明に描かれています。
心理学的な視座で見れば、この歌詞世界は現代でいう「共依存的な愛の究極形」とも解釈できますが、当時の歌謡曲においてはそれが「純粋無垢な献身の美」として昇華されていました。絶望の淵にいながらも相手を恨まず、自らの命を捧げることで愛を永遠化しようとする切なさが、聴き手のカタルシス(感情の浄化)を誘発する最大の要因です。