多くの作家を悩ませる「ナイロンコートワイヤー 切れる 理由」を追究すると、素材自体の不良ではなく、制作工程における「3つの物理的ミス」が浮かび上がってきます。ナイロンコートワイヤーは、極細のステンレス製ワイヤーを複数本撚り合わせ、その外周をナイロン樹脂で被覆した構造を持っています。引張強度には極めて強い反面、特定の負荷には極端に脆いという弱点が存在します。
第一の要因は、留め金具付近のつぶし玉 処理方法における「過剰な加圧」です。ワイヤーを固定しようと焦るあまり、平ヤットコなどの工具でつぶし玉を力任せにペタンコに潰してしまうケースが後を絶ちません。この際、つぶし玉の鋭利な金属角がナイロン被覆を突き破り、内部の細いステンレス芯線を押し潰して傷をつけてしまいます。その結果、目に見えないダメージが起点となり、着用時のわずかな首の動きや振動で芯線が金属疲労を起こし、プツリと破断するのです。
第二の要因は、ビーズの内径とワイヤーの擦れです。特に天然石やカットガラスビーズは、穴の縁(フチ)が刃物のように鋭利な状態になっていることが珍しくありません。アクセサリーが揺れるたびにナイロン被覆が削られ、芯線が直接硬い鉱物に接触することで摩耗断線を引き起こします。第三に、制作中についてしまった「折れ癖」を無理に引っ張って伸ばそうとすることで、撚り合わされた芯線の一部が断線し、強度が激減するケースも多発しています。