日本の防空識別圏と領空の違いとは?緊迫の現場と最新動向を徹底解説

日本の防空識別圏と領空の違いとは?緊迫の現場と最新動向を徹底解説

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日本の防空識別圏がどのような歴史的経緯で誕生したのかを知ることは、現在の領土問題や摩擦を理解する上で欠かせません。

JADIZの原型は、太平洋戦争後の1945年、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)配下の米極東航空軍(FEAF)によって設定されました。当時は冷戦の幕開けであり、ソビエト連邦の航空戦力から日本列島を防衛するため、米軍が日本周辺の空域を便宜的に区画したのが始まりです。1969年、沖縄返還に向けた調整が進む中で、米軍から防衛庁(当時)へその管轄・運用が移管され、防衛庁訓令に基づいて現在の形に整備されました。

この歴史的背景から、いくつかの特異な境界線が存在します。

代表的な事例が沖縄県・与那国島の上空です。終戦直後に米軍が設定した識別圏の境界線(東経123度線)は、なんと与那国島の上空ほぼ中央を南北に二分していました。そのため、日本の領空である与那国島の上空西側半分が、長年にわたって台湾(中華民国)の防空識別圏に含まれるという極めて歪な状態が続いていたのです。日本政府は主権侵害のリスクを解消するため、2010年6月に訓令を改正し、与那国島西側の上空約14海里に及ぶ境界線を西方へ再設定・拡大しました。

また、日本海および東シナ海上空では、韓国の防空識別圏(KADIZ)や中国が2013年に一方的に宣言した東シナ海防空識別圏(CADIZ)と大きく重複しています。韓国との間では、事前の飛行連絡体制やホットラインを通じた一定の対話が存在するものの、竹島(島根県)周辺の上空や離於島(韓国名・イエオド/暗礁)上空では依然として空域の認識をめぐる緊張が残されています。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。